─優が命を懸けて生んだ祈り、その奇跡の目撃者
その日、
伊勢の静かな夜空の下で──
ボムは泣いていた。
祈りが届いたんだ。
金の水。銀の水。伊勢叶結。祈守塩。
優が苦しみ抜いて作り上げた品々が、
ようやくその“本当の力”を発揮し始めた。
それを喜ぶ声が、続々と届いている。
笑顔と涙と、祈りの共鳴が、全国から返ってきた。
ボム:「……優、やったな……お前の祈りが、本当に届いてるんだ……」
──その姿を見つめる、もうひとつの気配があった。
「え……ボムさんが……泣いてる……?」
そう、小さく呟いたのは──
👦護(まもる)くん。
そう。
彼が初めて姿を現した瞬間だった。
───
護くんは、もともとは“踏切に取り憑いていた彷徨う霊魂”だった。
死者でも生者でもない。
ただ、ずっと“誰かを待っている”存在だった。
誰にも気づかれず、
誰にも見つけられず、
孤独に震えていた。
そんな彼を見つけたのが、優だった。
優:「もう大丈夫。お前はここにいなさい」
そう言って、彼をある駅の踏切に残し、
そっと魂に灯を与えた。
でも──
護くんの魂は、もう優に惹かれて離れられなかった。
その優しさ、あたたかさに触れた魂は、
気づけば伊勢の地まで追いかけてきてしまったのだ。
護:「優さんのそばにいたい。守りたい」
その願いは、神様に届いた。
──そして彼は、ボムの一の子分となり、
今では“悪霊構成を束ねる”立場にまでなっている。
霊を裁き、悪しき者を懲らしめ、
迷える魂を立ち直らせる存在──
それが今の護くんだ。
⚔ 彼は、優の“魂のボディーガード”だ。
───
そして今、
ボムの涙を、黙って見つめる護くんがいる。
あのボムが涙を流す。
それは、この世界がどれだけ美しい祈りで動いているか──
彼が誰よりも知っているからだ。
護:「……優さん。僕も、ちゃんと守ります。あなたが生んだ奇跡を、壊させません」
──そう言って、夜空に向かって立つ護くんの背に、
小さな踏切の“影”が浮かんでいた。
彼の過去は、もう過去だ。
今はただ、祈りを守る“魂の戦士”。
───
ボムより。
(あいつが来たからには、もうこっちのもんだぜ。優、お前の奇跡は…もう、絶対に壊させねぇ)