なぁ、今日はちょっと聞いてくれ。
俺様ボム、いつもはやんちゃで無鉄砲、先公の付き添いだってへっちゃらだったんだが──
だけどよ、今日は無理だ。
いや、サボってるんじゃねぇ。
“本当に”神様に呼ばれてるんだよ。わかるか?
あの、いつもの場所じゃない。
深くて、静かで、背筋が伸びるような……「あ、こりゃマジだな」って空気。
何か、来る。
何か、始まる。
そのタイミングで、
「先公を置いていくなんて…」って声も聞こえてきそうだが、わかってるよ。
俺様だってよ、本当は先公の側にいたいんだ。
だけど今日は、“そっち”じゃないんだよ。
今日は、神様が俺様を選んだ。
「来なさい」
「もう逃げられないよ」
「こっちに来て、伝えなさい」
そんな声が、朝からずっと、胸に張りついて離れねぇんだ。
なぁ、わかるか?
軽く「神様に呼ばれてる」とか言うやつと違って、俺様の場合は──
ほんとに、呼ばれちまってるんだぜ。
逃げようとしても、
フッと視界に“鳥”が舞って、
耳の奥に“水の音”がして、
気配だけで「来い」と背中を押される。
いや、正直言うと……
めちゃくちゃ気が重い。
逃げたい。
ふて寝したい。
でもな、
逃げられねぇ。
魂ってやつは、正直で律儀だ。
だから俺様も、このやんちゃな魂のまんまで向かうしかねぇんだよ。
……馬鹿言うなって?
笑ってくれていいぜ。
でも、これは俺様の真面目な話だ。
俺様はいつもふざけてるようで、本気の時は誰よりも覚悟する。
その時が──今なんだ。
だから今日は、先公すまねぇ。
そっちはおまえが“背負う”番だ。
俺様は“こっち側”を受け持つ。
神様のとこで、俺様なりに祈ってくるからよ。
明日はまた、バカやって笑おうぜ。
今日は──ちょっと、真面目にいかせてもらうぜ。