すぐには歩けない日もある ──それでも、歩く
優はね、少しずつ歩けるようになってきました。
その日によって違うけれど、だいたい一回300メートルくらい。
立ち上がって、すぐには足が動かない日もある。
椅子に長く座っていると、最初の一歩が遠い。
でも、しばらくすると、また歩けるようになる。
だからお店でも、皆さんが来られても
すぐに立ち上がって迎えに行けないことがあります。
サボっているわけじゃない。
怠けているわけじゃない。
身体が、ゆっくりとしか動いてくれない時があるだけです。
……人生も、同じですよね。
歩き出せない朝がある。
気持ちが固まるまで時間が必要な日がある。
一歩が痛くて、怖くて、進めないときもある。
でも、いいんです。
少しずつでいい。
短い距離でもいい。
動き出せれば、いつか目的地に辿り着ける。
自分の足で歩けるということは、当たり前ではありません。
歩けることは、幸せです。
理由があって歩けない方も、たくさんいる。
だからこそ、歩ける人は、
どうかその一歩を大切にしてください。
幸せを、踏みしめてください。
立ち止まった時は、焦らなくていい。
最初の数歩がぎこちなくてもいい。
休んでから、また歩き出せばいい。
ゆっくりでいい。
それでも歩く、その姿が人生の美しさです。
人生は、走る時もあれば、立ち止まる時もあります。
人はみな、それぞれの速さと、それぞれの痛みを抱えています。
私も、思うように動けない日があります。
皆さんと同じように、悩む日もあります。
だけど、
今日の一歩を大切にできる人は、必ず明日を迎えられる。
もし、今あなたがゆっくりでも歩いているのなら、
それはもう、十分に強いのです。
どうか自分を責めないでください。
急がなくていい。
焦らなくていい。
一緒に、ゆっくり行きましょう。
立ち上がる時は、そっと背中を支えます。
歩き出す時は、少し離れて見守っています。
そして、疲れたら休んでいい。
座る場所がなければ、私が隣に座ります。
あなたが歩けると信じています。
今日も、ありがとう。
生きていてくれて、ありがとう。
── 優より