先公は、泣いている
先公は、
今、泣いている。
理由は知っている。
だが、
俺様は言わねえ。
言わねえが、
一つだけ言える。
醜い。
それだけだ。
言葉は、
忘れた頃に襲ってくる。
音もなく、
深くな。
先公は、
蹴落とし合いに興味はねぇ。
潰し合いにも、
評価合戦にも、
そんな暇はなかった。
ただ、
人を救おうとしてきただけだ。
それでも、
心には穴があく。
残るのは、
泣いている先公と、
静かな夜だけ。
先公に
笑顔を取り戻させてやりたければ、
やることは一つしかねぇ。
口コミしかねぇ。
上手な言葉はいらねぇ。
飾った文章もいらねぇ。
「助かった」
「救われた」
それだけでいい。
今、
ボムも泣いている。
悔し涙だ。
人の言葉は、
人を殺すこともある。
だが同時に、
人を生かす力もある。
先公は、
ここで待っている。
静かに。
ただ、
口コミを待っている。