実は本人も、
気づいていたのです。
「このままでは駄目になる」
「今動かなければ間に合わなくなる」
「この人の言っている事は正しい」
本当は、分かっていた。
でも――
動かなかった。
いや。
動けなかったのではなく、
“動かなかった”のです。
ここを間違えてはいけません。
人はよく、
「タイミングが……」
「余裕がなくて……」
「落ち着いたら……」
と言います。
でも現実は違う。
動く人は、苦しくても動く。
怖くても動く。
不安でも動く。
なぜなら――
人生は、止まって考えているだけでは変わらないと知っているからです。
でも最近、
私は実際に見ました。
何回も伝えられていた。
何回もチャンスがあった。
周りも本気で言っていた。
「今ならまだ戻れる」
「今動けば助かる」
「早く決断した方がいい」
でも本人は、
考えて、考えて、考えて――
結局、動かなかった。
そしてどうなったのか。
見事なくらい、
伝えられていた通りの現実になったのです。
人が離れる。
信用が崩れる。
状況が悪化する。
慌て始める。
でも、その時にはもう遅い。
周りは静かです。
なぜなら――
何回も伝えたから。
もう十分すぎるほど、
伝えていたからです。
ここが現実なのです。
人生って、
崖から落ちる時だけ急降下する訳ではありません。
本当はもっと静か。
少しずつ。
少しずつ。
ズレていく。
でも本人は、
「まだ大丈夫」
と思い込む。
ところがある日突然、
全部が繋がる。
「あっ……終わったかもしれない」
と。
でもその頃には、
もう周りは疲れ果てているのです。
だから私は思うのです。
人間って――
“本当に危なくなる前”には、なかなか動かない。
そして、
本当に危なくなった頃には、
「なんであの時……」
と後悔する。
でも、時間は戻らない。
最近の現実を見ていて、
改めて思いました。
素直さとは、才能です。
頭の良さではない。
言葉の上手さでもない。
素直に現実を見る力。
これがある人は、
人生を大きく崩しにくい。
逆に、
思考ばかり強くなると、
現実を見なくなる。
自分の都合の良い解釈しかしなくなる。
そして最後は――
現実に潰される。
怖いですね。
でも、これが現実なのです。
だからこそ私は伝えたい。
気づいた時が、
本当は最後の分岐点なのです。
そこで動けるか。
それともまた、
「まだ大丈夫」
を繰り返すのか。
人生は――
その積み重ねで決まっていくのです。
